★★maming4816の京都の行事★★京料理、京菓子ブログ

京都の魅力を伝えます(京の行事と食文化)

❤ Mamingの京都エッセイ❤ vol.4

朝、昼、晩の食事をしっかり食べる!!でも、食事の合い間に甘いものもほしいですよね。いつもは、コンビニでアイスクリームやシュークリーム、チョコレートなどを買ってましたけど、「こんな時間のあるときだからこそ手間と暇をかけた甘味をつくろう!」できるなら和の甘味がよいなと考え、和の食材には欠かせない “ 小豆・寒天・白玉 “ 「和のスイーツ」をご飯の合い間につくってみました。

下記の写真のとおり5品をつくりました。

谷口 真由美 - “ きちんとご飯 週間 ”... | Facebook

では詳しい内容をアップしていませんので、このブログで甘味をつくりながら “ 知ったこと“ や “ 京都のこと “ を取りあげています。よければヒマつぶしに読んでくださいね。

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5月14日でご紹介した “ 自家製 和のスイーツ5品 ”

さて、5月14日にフェイスブックで掲載した “ きちんとご飯 週間 ” 第5弾!は、内容を甘味に変えて「和のスイーツおやつ編」でお送りしました。スイーツ編として5品目ご紹介しています。和のスイーツは左上から「抹茶の寒天と粒あん キウイジャム添え」、右横へ「抹茶の寒天」、左下へいきまして「ミルクあずき氷菓子」、右横真ん中へ「白玉のお善哉」、下へ「白玉と粒あん 苺のジャム添え」です。餡子も寒天も白玉も自家製です。ひと手間いりますが、和菓子が家でできた!という感動に出会えます。

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餡子、抹茶の寒天、白玉は材料をそろえて手づくりの自家製!!

和の甘味には、ふだんの台所であまり使うことのない 寒天を固める粉や、白玉をつくる粉のような材料が必要となってきます。「こんな便利なものがあったのか~」といった材料もご紹介しますのでどうぞお楽しみに♪

 【 目次 】目次の各項目の上をクリックすると、その文章へ移動します。

★おうちで暮らそう 4月14日  「和のスイーツおやつ編」5品★

❤ 1品目 ❤《 抹茶の寒天と粒あん キウイジャム添え 》 すっぱい、甘い、ほろ苦い三拍子の味覚がそろった楽しいスイーツ!

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すっぱいはキウイジャム、甘いは小豆の餡子、ほろ苦いはお抹茶の寒天!ネーミングは長いですが「抹茶の寒天と粒あん キウイジャム添え」です。3つの味覚と同時に “ ぷるん ”  “ なめらか ”  “ まったり ” の3つの舌ざわりを楽しむことができます。五感を研ぎ澄まして食べてみましょう!ちょっと大袈裟でしょうか(笑)。

餡子(あんこ)をつくりました

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40gの小豆 

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ゆで上がった小豆は約120gになりました

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大さじ3の砂糖を入れて煮込みます

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小豆の餡ができあがりました
★【 京都コラム 】 “ 小豆について ” ★

品種:マメ科 ササゲ属 アズキ亜属

起源:縄文遺跡跡から発掘されている。古事記にも「小豆」が登場

名前:小豆は本来「ショウズ」と読む。現在使っている「アズキ」は大和言葉からきている。

名前由来:諸説あるうちの2説をご紹介。

①江戸時代の本草学者(医薬学者)・貝原益軒(かいばらえきけん)の著書「養生訓(ようじょうくん)」では、“ ア ” は赤で、“ ツキ・ズキ ” は溶けるという意味であると説明されていて、小豆はどの豆よりも早くゆで上がり、豆自体がくずれやすいので “ 溶ける ” 意味合いの “ズキ ” が名前に使われた。赤い溶ける豆で「アズキ」とする説。

赤粒木(あかつぶき)から「アズキ」となった説。

栄養価:低資質で高タンパク。食物繊維が豊富でビタミンB群が豊富。

古事記に登場する「小豆」・五穀の起源

小豆の文字が最初に登場するのは、日本最古の歴史書古事記」です。物語は、姉のアマテラスオオミカミが住む高天原から追放された暴れん坊の弟・スサノオノミコトは、お腹が減っていたところに、オオゲツヒメという女神に出会い、食べ物をたくさん授かります。しかし、スサノオノミコトはおもむろに料理が出てくるのを不審に思って、そっと調理場の様子を見に行くと、オオゲツヒメは自分の鼻や口、尻から食材を取り出して、料理をつくりスサノオノミコトに食べさせていました。スサノオノミコトは「よくもそのような汚い食べ物を食べさせたな!」と怒ってオオゲツヒメをその場で斬り殺してしまいました。すると、オオゲツヒメの頭から「蚕」が生まれ、目から「稲」、耳から「粟」、鼻から「小豆」、陰部から「麦」、尻から「大豆」と、オオゲツヒメの体から次々穀物が生まれたのだそうです。これが古事記による五穀の起源の話です。小豆は鼻から生まれたのですね。

「餡/アン」の言葉と小豆の餡について

「アン」は元来、米や麦でつくった食物に穴をあけて、その中に詰める物全般を示して、中国唐の時代、日本で中国菓子の輸入が盛んだったころは、菓子の一つに「団喜(だんき)」という「アン(餡子ではない)」を包んだものがあって、この「アン」は肉を入れてつくったものでした。日本では “ 肉のアン “ の代わりに “ 小豆 ” を入れて工夫をしたのがはじまりだとか。後にその小豆のアンに砂糖をまぜて “ 甘い餡子 “ が日本で定着したのではないかということです。

甘い小豆の餡になったのはいつ?

蒸した小豆に砂糖を混ぜた現在の「小豆の餡」になるのは江戸時代になってからだそうです。17世紀初期、砂糖は外国のオランダ、中国から大々的に輸入されて高額でした。江戸幕府の資金源も潤沢ではなかったので、倹約家であった徳川幕府八代将軍の徳川吉宗が、なんとか日本で砂糖がつくれないかと考え “  砂糖の国産化 に挑みました。幕府推奨のもと本草学者の平賀源内(ひらがげんない)を筆頭に、医師たちがサトウキビ栽培と製品化に奔走。苦労のすえに江戸時代後期には “ 甘い餡子 “ が庶民へと広まったということです(あんこの本より)。ここから菓子文化が発達していきます。暴れん坊将軍の吉宗は “ 甘党 ” だったのでしょうか?…。

小豆の赤は「魔除けの赤」、そして、京都における小豆を食べる習慣

古来から小豆の赤色は、太陽や火、血といった「生命」を象徴するものと考えられ、その赤色を持つ小豆は呪術的な力を持った食材として扱われてきました。お祝いの席で小豆の入った「御赤飯」や小豆料理が振る舞われるのは “ 難からのがれる魔除け “ の意味合いを持っています。

京都では…毎月1日と15日には「あずのご飯」うるち米に小豆を入れて炊く小豆ごはん/赤飯ではない)を食べる習慣があります。これは “ 家中がマメで暮らせるように ” と願うものです。また1月15日(松の内が明けた日)には “ 一年の無病息災を願って ” 「小豆粥」が食べられます。

京都の「小倉餡」の由来は?

諸説ありますが、定説になっているのは、小豆の粒が鹿の背中の斑点の模様に似ていることから “ 鹿 ” にたとえて、そして、鹿といえば “ 紅葉 ” 、紅葉といえば “ 小倉山 ” となって(小豆→鹿→紅葉→小倉山=小倉餡)「小倉餡」の名前がついたそうです。

※鹿と紅葉の組み合わせ…奈良の興福寺・菩提院大御堂の  “三作の供養塔 “ の物語に由来するそうです。ある日、お堂で習字の練習をしていた子どもの三作は、習字の紙を食べようとした鹿を追い払うために手元にあった文鎮を投げて、それが運悪く鹿の急所にあたり鹿は死んでしまいます。鹿は神のつかいの “ 神鹿 ” とされ、当時は鹿を殺せば死罪。子どもである三作も例外ではなく、鹿殺しの罪として “ 石子詰め(いしこづめ/人を生きたまま地中に入れ、その周囲に多くの小石を入れ、圧殺させた) ”  の刑で死罪になりました。

三作の死を悲しんだ母は、石子詰にされたすぐ側に “ 紅葉の木 “ を植え供養したということです。その供養塔が興福寺菩提院にあるそうです。後にこの伝説が浄瑠璃などで語りつがれ、身近なところでは花札 でお馴染みの「鹿と紅葉」の絵柄の取り合わせの元になっています。花札の絵柄の背景に “ 奈良の悲しい物語 ” があるとはわかりませんでした。

雑学になりますが、この花札「鹿と紅葉」の “ 鹿 (シカ)” はそっぽを向いているように横を向いて、そして、花札の月が “ 十月 (ト)” を示していることからその札は「シカト」と呼ばれ、いつしかそっぽを向いている姿や無視することを「シカトする」と言うようになったのだそうです。

 ★【 書籍の紹介 】★

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あんこの本 姜 尚美(かん さんみ) 著書

餡子のお話をしたので、ここで餡子の書籍をご紹介します。エルマガジンなどの編集部の経験を経て、フリーの編集者として活躍されている姜尚美(かん さんみ)さんの著書「あんこの本」です。食べたい衝動にかられてしまうほどの生々しいあんこ餅の写真が表紙になっています。本を開けると日本全国のあんこを扱うお菓子のお店が39店舗紹介されています。販売のお店だけでなく、豆や砂糖の問屋まで掲載されていますので、興味深くよむことができる1冊です。最後の「あんこの栞」では、餡子に関する面白いお話が記載されています。

❤2品目 ❤《 抹茶の寒天 》 ほろ苦い抹茶の味と “ぷるん ぷるん ” で みずみずしい寒天をじっくり味わう♪

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碧翠園のお抹茶「千代の栄」

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寒天がすく作れる 「かんてんクック」(伊那食品工業

さいころ、寒天のおやつというと母が、海藻を加工・乾燥させた天草(テンングサ/海藻)に熱湯で溶かしてつくってくれたのを思い出します。長いスポンジのような天草を溶かすのにたいへん手間をかけていたような気がしていましたが、今は天草が粉末に加工(かんてんパパ かんてんクック)されて、寒天にするソース(液体)にその粉末を入れて溶かしこめば、あとは冷蔵庫で固まるまで待てば出来上がりです。

今回の寒天の味は抹茶味。宇治茶のお抹茶をいれました。

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抹茶の寒天と小豆の餡子 

❤3品目 ❤《 ミルクあずき氷菓子 》小豆もたっぷり、ミルクもたっぷりの贅沢な氷菓

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小豆餡の使い方はお饅頭だけでなく、小豆の氷菓子もできるんじゃないかと…市販されている “ 井村屋のあずきバー をまねて、「ミルクあずき氷菓子」をつくりました。牛乳と、つくりたての小豆の餡をまぜて冷凍庫で凍らせば出来上がりです。餡子がどうしても容器の底に沈むので冷凍庫に入れて半分凍るくらいのときに一度冷凍庫から取り出してフォークなどで混ぜてください。すると餡子が沈まなくて全体にいきわたります。

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瀬戸焼 五春窯 湯飲み茶わん

今回、ミルクあずき氷菓子を入れた器は、“ 瀬戸焼の五春窯 “ の湯飲み茶話です。

❤4品目 ❤《 白玉のお善哉 》白玉団子がたくさんはいったお善哉

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白玉善哉 白くてまん丸の白玉団子がいっぱい入ってます

白くてまん丸の白玉団子。口にすればチュルンとした食感がたまらなくいいですよね。甘味処ではトッピングに白玉が入ると少し高級になるような気がしませんか。一度、白玉がいっぱい入ったお善哉を食べてみたいな~と思っていたので、白玉団子を家で作ってみました。お餅でいいじゃないかと言われる時があるんですが、やはりお餅だと “チュルン ” の食感がない(残念)。今回は、たくさん白玉団子を作って、白玉の大人食べをしました。

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新潟県産の「白玉粉

白玉粉(しらたまこ)は、もち米を加工した粉。もち米を粉にし、水に浸して水中で沈殿した物を天日乾燥させてつくります。白玉団子などの材料に用いられて、粉の粒子が小さいので、出来上がった白玉はつるりとした食感になります。

白玉粉室町時代ないし鎌倉時代に、禅の修業で僧侶や、日本への渡来僧によって伝えられたとの説もありますが定かではなく、一般に広まったのは江戸時代・元禄の頃で、砂糖や餡子の甘味が庶民の手に入りやすくなるとともに白玉粉も普及したということです。和菓子の文化は江戸時代に育まれたのですね!

❤5品目 ❤《 白玉と粒あん 苺のジャム添え 》あずきと白玉、苺ジャムの “ 小さな和パフェ “ で可愛く!

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 大好きな白玉団子をふんだんにつかった次のメニューは、「白玉と粒あん 苺のジャム添え」です。自家製のジャムも彩りをよくするためにトッピングしてみました。 “ 小さな和パフェ “ です。材料を揃えて、いろんな器もためしつつ、自分の小さな和パフェを楽しむのもよいですね。

❤ Mamingのつぶやき ❤

台所で料理をしていると、手は料理の作業をしているにもかかわらず、頭は意外と料理とは関係ないことを考えているなと気づきました。これはやはりコロナの影響で仕事が休業・外出自粛で時間に余裕ができた産物かもしれません(コロナでお亡くなりになっている方には不謹慎な言葉です。すみません)。今回、料理と台所は、私にとって、心を見つめなおす “ よい機会、よい場所、よい空間 “  だったのようです(私だけかもしれません)。

台所に立って発見!苺のヘタを切っていたとき…

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苺のへたの裏側 

一つのヘタが裏返って、よく見るとヘタが小さな花のようだったので、すべての苺のヘタを切り落としたあと、全部裏返ししていました(笑)。

そしてまた、大豆の豆を洗っていたとき、ステンレスのボールに大豆を入れたら “ 大豆の宇宙 “ が広がっていました。

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大豆の宇宙 

ステンレスボールの底に約40gの大豆がすっぽり入って、その大豆がステンレスのボール側面に反射投影されていて不思議な気持ちになったんです。東寺さんに春と秋に公開される宝物館の展示のなかで曼荼羅を万華鏡に投影させているブースがあるんです。それを覗き見ると永遠に曼荼羅が広がっているんですね。この台所の投影されている大豆を見て、東寺さんの曼荼羅を思いだしました。

すごい崇高な記憶を思い出したなと自分自身に感動してしまいました(笑)。台所で自分を見直す時間を与えてくださったことに感謝です。

❤長いブログになりましたが、料理を通して発見したことを、時間のゆるす限り投稿していきますので、どうかみなさまもお時間あればこのブログにお立ち寄りください❤

 

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